初めての海外出張が決まったとき、多くの人は負担が大きいです。知らない土地へ一人で行くため、現地での英会話がスムーズにでき、大事な海外出張を無事に乗り切れるのかどうか、不安な気持ちにもなるものです。

特にサラーマンを含め、1ヶ月後など急に出張を命じられることがあります。

そうしたとき、「英語がペラペラ」であればいいですが、それ以上に商談相手が評価するのは、英語の能力ではありません。あなたのビジネスに対する知識、誠実さ、真剣さ、そして熱意です。

そこで、「海外出張の準備」「海外出張の仕事先で気をつけたいこと」を述べていきます。私の経験や失敗談を含んでいますが、あなたの初めての海外出張に参考になればと思います。

海外出張の準備に必要な英語勉強法

企業に勤務していると、1ヶ月後など急に海外出張を命じられることがあります。

このような短期間での、英会話の勉強はどうようにすればいいのでしょうか? 今からでは、英会話学校へ行く時間はありません。

ビジネス英会話と言っても、ビジネスの現場で、あなたの業界の用語(専門用語)を用いて、英語で会話をするだけのことです。しかし、とっさには英単語やフレ-ズが浮かんでこないものです。

あなたに残された出張までの期間はわずかです。早速、今日からお客との商談プロセスの場面を想定して、業界用語を含めた「英会話フレ-ズ」を暗記して下さい。

  • あなたの会社の概要
  • 製品とサ-ビスの説明
  • 製品の利点
  • お客のメリット
  • お客からの質問を想定した回答

これら英会話フレ―ズを全て覚える必要があります。

ネイティブのような発音で、早くスム-ズに話す必要はありません。自信をもって、ゆっくり、はっきり話す練習をして下さい。お客さんも同じ業界で働いています。カタコトの英語でも十分理解でき、コミュニケ-ションがとれると思います。

英会話のフレ-ズを書き出す方法

では、どのようにして英会話のフレ-ズを書き出して、覚えればよいのでしょうか?

業務上のキ-ワ-ドをピックアップして、英訳して覚えるのは容易だと思います。例えば、ビジネスの場であれば、以下のようなキーワードがあげられます。

advantage(優位性)、budget(予算)、customer(得意先)、campaign(キャンペーン)、due date(締切期限)、demand and supply (需要供給)estimate(見積書)invoice(請求書)、operation(操作)、order(注文)、solution(解決)、specification(仕様)、priority(優先)、productivity(生産性)、profitability(収益性)、promotion(促進)product price(製品価格)、terms of contract (契約条件)、 quality(品質)、win-win(双方に利益がでる)

しかし、単語を見ながらお客との商談のプロセスを頭の中だけで想定して、英会話フレーズを書き出すのは難しいかも知れません。実際には、以下のような会話をすることになります。

First of all, I will present you company profile.

ABC company has become a global leading company since its founding in 1950. ABC company has been producing construction machinery by skilled workers, which provides customers with productivity and profitability.

まず、会社のプロフィ-ルを紹介いたします。

ABC社は、1950年の創立以来、世界をリードする企業になっております。ABC社は、お客様に生産性と収益性を提供する建設機械を生産しております。

これについては、写真や絵図を見ながら想定したほうが、より鮮明にイメージが浮かび、順を追って理路整然と書き出すことができます。

そのためには、パワ-ポイントを使い、「プレゼン」を作成してください。タイトル、写真、絵図、箇条書きにした文字だけのシンプルなものです。以下のような感じです。

したがって、プレゼンの作成は短時間ですみます。

そして、プレゼンの説明と、お客からの予想される質問を、日本語でノートに書いていきます。ノートに書かれた日本語文を英訳して、そのフレーズを暗記するまで覚えるのです。

例えば、上の建設機械の写真については、日本語で写真について説明し、それを英訳します。以下のようになります。

ABC社は近々、2種の建設機械の新しいモデルを発表いたします。そして、まもなく、販売促進キャンペ-ンを実施する予定です。後ほど機械の仕様書をお渡しいたします。

ABC company will announce new model for the two types of construction machineries. And we plan to make sales promotion campaign shortly. and I will give you the specification later.

製品の利点とお客メリットについては、プレゼンにキーワードがあります。

これを使い日本語の文章を作成して英訳すると、以下の例のようになります。

我社の製品の利点は、安全性、優れた機能性、そして操作が容易であることです。

お客様にとってのメリットは、生産性、収益性、そして耐久性に優れていることです。製品の価格、契約条件などは、別資料をお覧ください。

The advantages of our products are safety, excellent functionality and easy operation.

The advantages to customer is that they have excellent productivity, profitability and durability. For the product price and the terms of a contract, please refer to the separate paper.

次に「お客からの質問」を想定して、同じように日本語で書き出し英訳します。

例えば、下記の質問があったとき、どう答えるでしょうか?

「現在のマーケットにおいては、製品価格が少し高いと思いますが、価格の割引は可能ですか? To suit the current market, the product price seems a bit expensive. Is it possible for you to discount?」

一例として、「では、100台以上のご注文を頂けましたら、5%の値引きをいたしましょう。Well, if you order more than 100 units, then we should able to give you 5 % discount.」と答えます。

しかし、すぐに答えられない場合は、「残念ですが、上司と相談させてください。I feel bad for you, but I need to talk to my boss. 」と言うかも知れません。

このような質問に対し、どう回答するかはあなたの権限の範囲によるものですので、出張前にお客からの質問を想定することはたいへん大事です。

もちろん、作成したプレゼンを商談に利用してもよいです。パソコンに保存されているプレゼン、あるいは印刷したプレゼンを見せながら、その内容をゆっくり説明していくのです。

もし時間に余裕があれば、アニュメーションをいれるなどの工夫をすれば、あなたの会社の「商品とサービス」はお客対して、より強い印象を与えるでしょう。

日常英会話

また、私の経験からですが、海外出張をすると、お客さんとは仕事以外の場面でも会話する機会があります。また、昼食を一緒にとることも考えた方がいいでしょう。そうすることで、より一層、お互いを理解し親交を深めることができるからです。

その場合の日常会話として、あらかじめ話題を用意し、その英語フレーズを覚えておくと良いです。例えば、あなたの住んでいる町の写真を見せ、文化習慣、観光などを気軽に話します。

以下のような感じになります。

商談後、山田さんはスミスさんを昼食へ誘います。

Mr. Yamada: Mr. Smith, It’s already twelve o’clock. Would you like to join me for lunch?

山田さん : スミスさん、12時になりますね。一緒に昼食へ行きませんか?


Mr. Smith: Sounds good. OK, Let’s go to nearby restaurant.

スミス: いいですね。近くのレストランへ行きましょう。


Mr. Yamada shows some pictures to Mr. Smith at the restaurant.

山田さんはレストランでスミスさんに写真を見せます。


Mr. Yamada: Mr. Smith, Look at this picture. I lived in this city during my college days. Beyond the bay, there is a beautiful mountain called “Sakura-Jima”.  It’s an active volcano but it’s also a tourist attraction.

山田さん: この写真をご覧下さい。私は学生時代にこの町に住んでいたのです。湾の向こうには、桜島と言う活火山があります。それは活火山ですが、観光の名所にもなっているのです。


Mr. Smith: Huh, is it the active volcano? It’s surprising to know that people live near the active volcano! Did that mountain sometimes erupt?

スミスさん: へ~、活火山ですか?活火山の近くに人が住んでいるとは驚きです。その火山は時々、噴火しましたか?


Mr. Yamada: Yes, it did. Even now it erupts from time to time and volcanic ashes fall over the city.

山田さん: はい、噴火していました。今でも時々噴火して火山灰が町に降るのですよ。

このように、あなたから積極的に話題を提供していくと話も弾み、さらに親交を深めることができるでしょう。

外国人が興味を示すことは生活に身近なものです。その文化習慣の違いを話題にすると良いと思います。あなたからも、相手の国の様子を聞いてみて下さい。

そこで、出張前に以下のことを自己紹介できるようにしておいて下さい。

  • 日本人の食生活: Japanese diet
  • 日本の住居(畳): Japanese residential (Tatami)
  • 働きすぎの日本人: Japanese working too hard
  • 日本の伝統的なスポーツ、相撲など:  Japanese traditional sports, Sumo wrestling etc.

これらのことを話せるようにしておけば、お客さんはあなたに対して親近感をもち、商談によい影響をあたえるでしょう。

出張で役立つ会話表現フレ-ズ集

あとは、ビジネスの場面で頻繁に活用するフレ-ズを覚えましょう。

海外出張を命じられて1ヶ月しか時間がなかった場合であっても、ひとまずの応急処置が可能になります。

初対面の挨拶

初対面の外国人と会うときは、とかく緊張しがちなものです。このとき名刺交換の前に握手をしながら、笑顔で挨拶をしましょう。商談でも第一印象が大事です。

相手から先に、How do you do? と挨拶されたときは、How do you do? とオウム返しの挨拶は避けた方がいいです。 It’s a peassue to meet you. または Nice to meet you. と挨拶を返してください。

look forward to ~ ing  「楽しみにしている」という表現で、挨拶のときによく使います。

Here is ~ 名刺を渡すときの表現です。名刺は、あなたから(訪問者)から先に渡すのがマナ-です。

Mr. Smith: How do you do, Mr. Yamada?  Welcome to ABC company.

スミスさん: はじめまして、山田さん。  ABC会社へようこそ。


Mr. Yamada: It’s a pleasure to meet you, Mr. Smith.

I have been looking forward to meeting you.

山田さん: こちらこそはじめまして、スミスさん。お会いするのを楽しみにしていました。

Here is my business card.

(名刺を渡しながら)私の名刺です。

お詫び(約束の時間に遅れてしまった場合など)

I am sorry ~ 「すみません」日本では頻繁に使う表現ですが、欧米では、自分の否を認めることがあるのであまり使いません。とくに交通事故のときなど利害関係が生じる場合は禁物です。

約束の時間にしかたなく遅れてしまった場合には、たいして利害関係も生じないので、お詫びをして、遅れた理由を言ってください。

また、相手がお詫びをしたときの返答としては、No problem.  「問題ありません」を利用しましょう。相手を安心させるときに使います。

Mr. Yamada: Sorry to have kept you waiting.

I got caught in a traffic jam on the way.

山田さん: お待たせして、申し訳ございません。来る途中で交通渋滞にあいまして。


Mr. Smith: No problem, Mr. Yamada

スミスさん: 大丈夫ですよ。山田さん。

感謝する

商談にはいる前、雑談をします。あなたから話かけましょう。

Thank you very much ~  時間をとってくれたお客さんに感謝します。I appreciate ~ でもよいです。

Mr. Yamada: Mr. Smith, thank you very much for your time this morning. I am glad to see you.

山田さん: スミスさん、今日の午前中はお時間を頂きまして、有難うございます。お会いできて嬉しいです。


Mr. Smith: I am too, Did you arrive in New York last night?

スミスさん: こちらこそ。昨晩、ニュ―ヨ―クに着いたのですか?


Mr. Yamada: Yes, I arrived here late last night from Tokyo. I went directly to bed right after checking into hotel. But I woke up around midnight and couldn’t back to sleep. It might be jet lag.  No problem, let’s talk about business.

山田さん: はい、昨夜遅く東京からです。ホテルへ着くとすぐに寝てしまいました。夜中に目が覚めて、眠れなくなっていまいました。時差のせいでしょうね。大丈夫です。さあ、商談をはじめましょう。

いつでも自由に~

山田さんはプレゼンを始めるとします。このとき、feel free to ~ 「自由に~して」を活用します。

また、please don’t hesitate to ~ 「遠慮しないで~ して」と言い換えられます。

Mr. Yamada:  First of all, I would like to make a short presentation.

Please feel free to ask me anytime if you have a question.

山田さん: 初めに、短いプレゼンをしたいと思います。質問があればいつでもどうぞ。


Mr. Smith: Thank you, Mr. Yamada. Please go ahead.

スミスさん: 山田さん、有難うございます。どうぞ、進めてください。

誇りにおもう

プレゼンが終わりました。このとき、英語では、I am proud of our product と締めくくります。日本語訳では、「私は、会社の製品に自信をもっています」となります。

実際の英語では、「~は得意です」と表現するとき、be proud of~ を使います。自慢したいときの表現ですが、自社の製品に自信があり、アピ-ルしたいときも使います。

Mr. Yamada: What do you think of our product? I am really proud of it.

山田さん: 私どもの製品はいかがですか? 私は、たいへん誇りに思っています。


Mr. Smith: Well, I like it overall. But I have some concerns. May I ask you a question?

スミスさん: 全体的には気にいっています。しかし少し気になるところがあって、質問してもいいですか?

思いつく

山田さんプレゼンに対して、スミスさんが問題を提起いたしました。このとき、come up with ~「思いつく」という表現がよく使われます。

しかし山田さんは、スミスさんが言っている意味を理解できません。このとき、頭ごなしに「理解できない」と言ってしまうと、相手にぶっきらぼうな印象を与えてしまいます。

そこで、I am afraid ~ 「心配している、恐れている」という言葉を添え、相手を否定する文章の前におきます。少しでも相手を気遣うことができれば、商談をスム-ズに進めることができます。

また、相手の話し方が早くて理解ができない場合は、speak more slowly と言って、ゆっくり話してもらうようにお願いしましょう。わからないままにしないのが大事です。

Mr. Smith: I think that the safety equipment needs some improvement. Do you come up with any idea?

スミスさん: 安全装置に改良が必要かと思いますが。何かアイデアはありませんか?


Mr. Yamada: I am afraid that I don’t understand what you are saying. Could you say that again? It will be great help if you speak more slowly.

山田さん: すみません、あなたの言っている事がわからないのですが。もう一度、言っていただけますか?もう少し、ゆっくり話して頂ければ助かります。

気分転換に

ビジネスでは、気分転換に商談の途中で休憩をいれることがあります。

商談が長く続いたとき、Let’s ~ for a change「気分転換に~しよう」と、短い休憩をはさみ気分をリフレッシュしたい場面で使うときの表現です。

そのとき返答として、相手の勧誘に同意する場合は、Yes, let’s. Sounds good.「はい、そうしましょう。いいですね」と表現します。

また、この休憩時間を利用してトイレを借りたい場合は、May I use your bathroom (rest room)? と言ってください。欧米ではこの場合、Where is the toilet? 「トイレはどこですか?」は直接的な表現のため下品に聞こえてしまいます。

Mr. Smith: Well, let’s take a coffee break, for a change.

スミスさん: 気分転換にコーヒーブレイクにしましょう。


Mr. Yamada: Yes, let’s. Sounds good. It is perfect timing to refresh me.

Excuse me, Mr. Smith,  May I use your bathroom?

山田さん: いいですね。リフレッシュにちょうどよいタイミングです。

すみません、スミスさん、トイレをお借りしたいのですが?

相談する

ビジネスの場で、山田さんだけでは判断できない問題がでてきました。会社の上司と相談が必要です。

その場合は、Let me have a word with someone ~ 「~と相談させてくだい」という表現が使えます。

このときの表現は、I would like to discuss it with someone ~ とも言い換えられます。

Mr. Smith: The price you have proposed sounds a bit high.  Could you discount a little more?

スミスさん: 提案された価格は少し高いようです。少し、値引きできますか?


Mr. Yamada: I am afraid that I cannot decide it right now. Let me have a word with my boss in Tokyo.

山田さん: すみません。今すぐに判断できません。東京の上司と相談させて下さい。

詳細を煮つめる、期待にこたえる

商談は無事にまとまりそうです。山田さんはスミスさんに見積書(estimate sheet)を渡します。

しかし詳細については、お互いにあとで話し合う必要があるようです。その場合、work out the details  「詳細を煮つめる」という表現が使えます。

返答としては、live up to one’e expectations「期待にこたえる」という表現が使えます。

さらに別れ際の挨拶として、It was nice meeting you.「お会いできて光栄です」と言って相手に敬意を表しましょう。

Mr. Smith: Thanks for your estimate sheet. Let’s work out the details from now on.

スミスさん: 見積書ありがとうございます。詳細については、これから煮つめていきましょう。


Mr. Yamada: Thank you very much, Mr. Smith. I will send you e-mail soon after my return to Tokyo. I would like to live up to your expectations. It was very productive discussion and it was really nice meeting you.

山田さん: ありがとうございます、スミスさん。東京に戻りましたら、直ぐにメイルいたします。ご期待にお答えしたいと思います。大変、有意義な商談でした。そしてあなたと会えて本当に良かったです。


Mr. Smith: Me too. Have a safe and enjoyable flight! See you again soon!

スミスさん: 私もです。 安全で楽しいフライトを! またすぐにお会いしましょう!

海外出張では文化の違いも理解する

なお、英会話に着目しがちですが、他にも重要なことがあります。それは、文化です。あなたは、外国で仕事をしようとしています。渡航先の国の文化習慣を尊重し従って下さい。

例えば、初対面の外国人との挨拶は握手から始まります。商談では、その後に名刺交換をするようにしましょう。別れ際でも同じように握手をして別れます。

また西欧では、熱いスープなどを食する時音をたてるのは、テーブルマナー違反です。

他にもよく言われることですが、初対面の人にプライベートの事を質問したり、政治や宗教を話題にしたりするのは避けた方が賢明です。

また外国人との商談では、「Yes, No」を言ってはっきり自分の意思を伝えて下さい。曖昧な表現は避けましょう。

例えば、「我社の製品は業界一です」と言う時、「I believe that our product is the best in the industry」と自信をもって言うべきです。日本人の好む謙遜した表現として文頭に「I think や Maybe」は言うべきではありません。

まとめ

海外出張に行くとき、誰もが不安に感じることは、商談相手とのミュニケーションです。

そのためには、最初に商談のプロセスを想定し、1ケ月間集中して業務上のキーワードを含む英会話フレーズを覚えてください。そのときシンプルなプレゼンを作成すると、商談のイメージが鮮明に浮かんできます。

だだ、商談相手とはビジネスの場だけ接するわけではありません。雑談時には日常英会話も必要とされます。そしてこのとき、専門用語だけでなく出張先で役立つ英会話フレ-ズも覚えてください。

これらを行うことで、商談相手とスムーズにコミュニケーションができます。そして、商談相手と信頼関係が構築され、あなたの海外出張が有意義で価値のあるものになるでしょう。