会社で働いていると、人事異動によって英語が必須の部署へ異動を命じられる場面があります。また、異動した部署において、すぐにビジネスで使える英会話が必要な仕事を命じられることもあると思います。

このような場合は、応急処置として短期間に使えるビジネス英会話の基本を身に着けようと必死になります。

ビジネス英会話の初心者にとっては、初めてのチャレンジですが集中して取り組めば決して難しいことではありません。中学校で習った英語だけでも十分コミュニケーションが可能だからです。

そのためには、「外国人との会話を想定して簡単なビジネス英会話文を作成する」、「ビジネス英会話の基本文を繰り返し音読する」「ビジネス英会話の初心者は、文法や発音を気にしない」を意識すれば問題ありません。

ここでは、これらのポイントについて解説していきます。

外国人との会話を想定し、簡単なビジネス英会話文を作成する

レストランやコンビニへ行くと、驚くほど流暢に日本語を話す外国人に出会うことがあります。彼らのなかには来日してからわずか数ヶ月の人もいます。なぜ彼らは短期間で「日本語がペラペラ」になったのでしょうか。

それは彼らにとって、日本語を話すことが生活に密着しているからです。日本人とのコミュニケーションがとれないと生活ができません。

そこであなたも1ヶ月間、自分自身を同じような環境に追い込んでしまいます。そうすると、どうしても必死にビジネスで英会話を覚えなくてはならない状況に陥ります。

具体的には外国人との「基本的なビジネス英会話」を想定した場面の英文を作成します。

まず、あなたのビジネスで英語が必要になる場面を箇条書きにしてください。例えばあなたの仕事として、以下の場面を想定するとします。

  • 空港への出迎え
  • 会議において日程の説明
  • レストランへの案内

では、海外から顧客が来日し、あなたが上司から空港への出迎えを頼まれたことを想定して、短い例文を作成してみます。

空港への出迎え

アメリカの顧客であるロバ-トさんが成田国際空港へ到着いたしました。あなたは(山田さん)空港ゲ-トで出迎えます。あなたはロバ-トさんとは初対面です。

Mr. Yamada: How do you do, Mr. Robert?  I am Ichiro Yamada of ABC company.  Welcome to Tokyo.  I am here to meet you.

Mr. Robert: It’s nice to meet you.  I am Michael Robert. Thank you.

山田さん: はじめまして、ロバートさん、私はABC社の山田です。あなたをお迎えにまいりました。

ロバートさん: こちらこそ、どうぞよろしく。私はマイケル ロバートです。

ここで、もしロバートさんが先に挨拶した場合は、It’s nice to meet you. か It’s a pleasure to meet you. と返答したほうがいいです。How do you do?とオウム返しに返答すると、英語では投げやりな感じにうけとられ、特にネイティブにとっては違和感を感じるからです。

次に、空港からタクシーでロバートさんが宿泊するホテルへ向かいます。

Mr. Yamada: Let me give you a hand with your suitcase?

Mr. Robert: Thank you, Mr. Yamada

(They get in a cab.)

Mr. Yamada: Is this your first time in Tokyo.

Mr. Robert: Yes, this is my first time. I am happy to visit your office in Tokyo.

Mr. Yamada: How is your business getting along?

Mr. Robert: It’s good. I am looking forward to seeing your new product.

(In order to reserve the restaurant, Mr. Yamada ask Mr. Robert about his favorite dish in Japan.)

Mr. Yamada: I hope we have a good discussion. My boss will also be happy to see you. By the way, you like Japanese dish? What is your favorite Japanese dish if you like?

Mr. Robert: Yes, I like it. I like Sushi. Because it’s delicious and healthy.

山田さん: スーツケースをお持ちしましょうか?

ロバートさん: ありがとうございます。山田さん

(二人はタクシーに乗ります)

山田さん: 東京へは初めてですか?

ロバートさん: はい、初めてです。東京のあなたのオフィスへ訪問するのが楽しみです。

山田さん: お仕事はいかがですか?

ロバートさん: 順調ですよ。新しい製品を見るのが楽しみです。

(山田さんはレストランの予約をするため、ロバートさんの料理の好みを聞きます)

山田さん: よい話し合いになればいいですね。私の上司もあなたと会うのを楽しみにしています。ところで日本料理はお好きですか?どんな料理がお好きですか?

ロバートさん: はい、好きです。寿司ですね。美味しくて健康的ですからね。

By the way~ は話題を変えるときの便利な表現です。

このように、覚えやすい平易な単語を使い短い英文を作成するのが「コツ」です。外国人は沈黙を嫌う傾向にあります。なるべくあなたから話しかけて、話を続けることを心がけてください。

次は「日程の説明」に関する例文です。このとき顧客には日程メモを渡しておきます。

日程の説明

山田さんは会議の冒頭でロバートさんの日程を説明します。

Mr. Yamada: First of all, let me tell you about your schedule during your stay in Tokyo.

Today, we will have the meeting all the day. My boss, Mr. Matsui will explain you our new product. I hope you like it.

Tomorrow morning, we will go to our factory. Our factory manager will be happy to show you our new product.

I will take you to the factory. It will take about 30 minutes by taxi from here.

We will leave the factory around 4 pm to return to the office, and we will leave the office around 6 pm for dinner.

Mr. Robert: Thank you, Mr. Yamada. I understand it.

山田さん: まず、あなたの東京でのスケジュールです。

今日は1日中会議の予定です。課長の松井さんが新製品の説明をします。気にいって頂ければよろしいのですが。

明日の午前中は工場へ行きます。工場長が新製品をご覧にいれます。

私がタクシーで工場までご案内します。ここからおよそ30分くらいです。

工場を午後4時くらいにでてオフィスへ戻ります。そして、6時くらいにオフィスをでてディナーに行きます。

ロバートさん: 山田さん、ありがとうございます。わかりました。

First of all ~ 例文のように会議を始めるときなど、冒頭によく使われる便利な表現です。

この会話文も中学校で学習する平易で短いセンテンスで構成されています。関係代名詞も使われておりません。

レストランへの案内

山田さんはロバートさんを会社の近くの寿司屋へ案内します。ロバートさんは寿司について山田さんに質問します。

Mr. Yamada: Mr. Robert, it’s about time we left here.  We will go to Sushi restaurant for dinner. Mr. Matsui will join us later.

Mr. Rober: Sushi restaurant?  Sounds great!

(At the Sushi restaurant)

Mr. Robert: I love Sushi very much. It’s popular over the world now, isn’t it? Can you tell me about what era Japanese people started eating Sushi?

Mr. Yamada: Well, from around the beginning of 19 century, called EDO era. Sushi is slice of fresh raw fish on vinegar rice. It’s pressed by hand into bite sized portions. It’s called Nigiri Zushi and most popular. I think maybe you eat it in USA.

山田さん: ロバートさん、そろそろここを出る時間です。ディナーに寿司屋へ行きます。松井さんはあとから来ます。

ロバートさん: 寿司ですか?それはいいですね!

(寿司屋で)

ロバートさん: 私は寿司が大好きです。世界中で人気ですね。日本人が寿司を食べ始めたのはいつの時代からですか?

山田さん: え~と、江戸時代、19世紀の初めのころからです。寿司は酢のはいったごはんに新鮮な生魚の切れ身をのせたものです。食べごろのサイズに手でにぎります。それはにぎり寿司と呼ばれて一番人気です。多分、あなたはアメリカではそれを食べていたと思いますね。

It’s about time (that) ~ 「そろそろ」と決まり文句で す。例えば、It’s about time that he arrived here. (そろそろ、彼がここに着く頃です。) となり、that 以下は過去形がきます。

Sounds great. 「いいですね」と言う表現です。相手に同意するときの表現ですが、Sounds good よりも「もっとよい、すばらしい」のニュアンスになります。

この場面のように、外国人から生活に身近な日本の文化について質問があることがあります。例えば、日本の住居(Japanese residential)、日本の伝統的なスポーツ 相撲、(Japanese traditional spots Sumo wrestling) などです。あらかじめ、英語でどのように表現するか調べておくとよいです。

また、外国人と食事をするときには、テーブルマナーにも気を配ってください。例えば、この場面ですと熱い味噌汁が配膳されると思います。西欧ではスープなどを食するとき、音をたてるのはマナー違反ですがここは日本です。次のように説明できます。

Mr. Yamada: I know that in western culture, making noise is bad table manners while eating. But, in Japan it’s normal to make noise when you eat hot soup and noodles.  So it’s no problem to make noise when you eat mis-soup.

Mr. Robert: Is that so? I never thought of that. But, why is that?

Mr. Yamada: Because there is a reason. The air you suck helps cool down the soup.

Mr. Robert: I see. It makes sense!

山田さん: 西欧文化では食事のとき音をたてるのはテーブルマナー違反ですね。しかし、日本では熱いスープや麺を食べるとき、音をたてるのはは普通のことです。ですから味噌汁を食べるとき音をたててもいいですよ。

ロバートさん: そうなんですか?考えもしなかったです。 しかし、どうしてですか?

山田さん: 理由があるのです。吸った空気がスープを冷ますのです。

ロバートさん: わかりました。確かにそうですね。

I see. この場合は「理解する」という意味です。

make sense 「道理にかなう」という意味ですが、「確かにそのとうりです」と相手の言ったことを肯定するときに使います。

この例文のように外国人と話をするときは、文化の違いについても気にかけてください。

ビジネス英会話の基本文を繰り返し音読する

英会話の初心者にとって暗記は効果的です。作成した基礎的なビジネス英会話文のなかで、使えそうな英会話フレーズを繰り返し音読して暗記してください。

例えば、「日程の説明」ところで説明した「First of all, let me tell you about your schedule during your stay in Tokyo.」をゆっくりと、しかしワンセンテンスの一塊として音読してください。英語のリズムを身体に浸みこませるのです。

そうすることで、英会話フレーズが頭で考えなくても自然にでてくるようになります。日本語に訳すのではなく英文のまま覚えてください。

以下では、ビジネスシーンで頻繁に活用する英語フレーズを紹介します。

ビジネスでよく使われる簡単英語フレ-ズ 15選

1. be happy with

「満足する」という意味です。be satisfied with ~ も同じ意味ですが少し硬い表現です。be happy with のほうが口語的です。

My client is happy with high quality of our new product.

私の顧客は 我々の新製品に満足しています。


2. give it a try

「やってみましょう」という意味です。

Seems difficult to make a contract with them, but let’s give it a try anyway.

彼らと契約するのは難しそうです。しかし、とにかくやってみましょう。


3. feel better

「安心する」と意味で口語的によく使われます。

I feel better to hear that you did a good job of it.

あなたがよい仕事をしたことにホットしています。


4. some other day

「ほかの日」ビジネスで急に用事がはいり「ほかの日にしてもらいたい」という状況になることがあります。

I hate to say, but could you make it some other day?

言いにくいのですが、ほかの日にして頂けませんか?


5. Take it easy.

「落ち着いてください」Don’t be upset. 「あわてないで」も同じニュアンスです。

Take it easy. We will be in time for the meeting.

落ち着いてください。会議にはまだ間に合います


6. be up to someone

「~しだい」の意味です。It depends on ~ とも言い換えられます。

It’s up to you if you continue this project.

このプロジェクトを継続するかはあなたしだいです。


7. Don’t worry about that.

「心配しないてください」

Don’t worry about that. The world economy will pick up some day.

心配しないてください。世界経済はそのうちよくなるでしょう。pick up ~ は「上向く」some day 「そのうち」という意味でよく使われます。


8. Not bad.

文字通りは「悪くない」ですが、どちらかと言えばほめ言葉で、「よい、いける」の意味です。

This new product is not bad.

この新製品はいいですね。


9. no choice but to

「~するしかない」選択の余地がないという意味です。

We have no choice but to wait for a while.

私たちは待つしかないですね。


10. I am coming.

「今いきます」誰が主体になるかで言い方が変わります。

A: Please come to my office. 私のオフィスに来てください。

B: OK, I am coming right away. すぐに行きます。

この例のように相手が主体とするとI am going ではなく、この言い方が正解です。


11. appreciate

「感謝する」の意味ですが、日本語的な言い方で「宜しくお願します」という意味でも使えます。

I would appreciate it if you would send me e-mail as soon as possible.

できるだけ早くメイルを送ってくださるよう宜しくお願いします。


12. com up with

「思いつく」~を思い浮かぶ、という意味でよく使われる表現です。

I have just come up with a good idea.

私はいい考えを思いつきました。


13. I’ll think about it.

「考えておきましょう」ですが、否定的なニュアンスがあります。大阪商人が「検討しておきます」と断りの返答をすることがありますが、ニュアンスは同じ感じです。

A: Can you discount a bit more? もう少し値引きできますか?

B: I’ll think about it. 考えておきましょう。


14. have nothing to do with

「~とは関係ない」という表現でよく使われます。

It has nothing to do with term of contrat.

それは契約条件とは関係ありません。


15. live up to one’s expectations

「~の期待にこたえる」meet one’s expectations とも言い換えることができます。

I want to live up to his expectations.

私は彼の期待にこたえたいと思います。

これらを利用し、平易な単語を用いて短い英文を作っていきましょう。日本語での意味も理解しているので、音読して暗記するのは難しくないと思います。

ビジネス英会話の初心者は、文法や発音を気にしない

なお、日本語でも同じですが、文法や発音を気にして会話をする人は誰もいません。会話はピンポンゲームのようなものです。「この言い方は文法的に正しいだろうか?」などと考えている余裕などはありません。

例えば、正しくは、He doesn’t know about that. (彼はそれについては知りません)と言うところを、He don’t know about that. 言ったとしても、意味が理解できれば誰も気にしません。このような文法的な間違いについては気にしないでください。

私も外国人との会話で「あのときの言い方は文法的に間違っていた」と後から気が付くことが何回もありました。これについては、そのたびに修正していけばよいだけのことです。

しかし、「文法は会話には必要ない」と言うのは間違いです。

ビジネス英会話初級のあなたが、これから「英会話の上級者」になるためには、文法のルールとそれにふさわしい単語を選択して会話することを意識しなければいけません。そして正しい英文を繰り返し音読することで、あなたの「英語感覚」が磨かれていきます。

まとめ

あなたは初めてビジネスの場での英会話にチャレンジしようとしています。そしてあなたは短期間で何とか使える英会話をマスターしなければなりません。

そのために一番必要なのは、まずはビジネスで英語が必要になる場面を具体的に書き出し、平易な単語を用いて簡単なビジネス英会話文を作成してください。そして、英語フレーズが自然にでてくるまで音読を繰り返してください。

英語初級の状態で基礎もできていない状態では、文法や発音の間違いを気にする必要はありません。経験を重ねることによって、英語感覚が自然に身についてきます。

英会話は慣れです。ビジネスの場で経験を積み重ねるたびに、あなたの英会話は気が付かないうちに飛躍的に改善していくでしょう。