企業のグローバル化が進み、国内や海外のオフィスで外国人の上司や同僚と仕事をする機会が多くなってきています。

一方、英語が苦手で外国人にどう話しかけていいかわからなくて困っている人が多いのも事実です。そうしたとき、オフィスにおける外国人とのコミュニケーションのポイントを押えればあなたの不安は解消されます。

具体的には、できるだけ多くの基本的な英語フレーズを頭の中へインプットして、シチュエーションにふさわしい英単語と英語フレーズをアウトプットしましょう。また、状況によっては外国人への配慮も必要です。

初めはカタコト英語でも問題ありません。このように心がけていけば、国内外での会社や事務所で英語を話すことによって、外国人との信頼関係が構築されていきます。

実際に私は、国内外のオフィスで色々な国籍の外国人と働いた経験があります。そこで、私の経験談を含めて、同じオフィスに勤務している外国人との英会話のコンテンツとコミュニケーションのポイントを解説します。

オフィスで必要なビジネス英会話とコミュニケーションのポイント

以下のオフィスでのシチュエーションを想定しました。短い会話文において基本的な英語フレーズと外国人とのコミュニケーションのポイントを解説します。

  • 一日の仕事の始まりと終わり
  • 外国人の同僚に仕事を依頼する
  • 外国人の同僚に仕事の説明をする

外資系企業の東京支社に勤務している山田一郎さんは、外国人の上司や同僚とそれぞれのシチュエーションで会話を始めます。

一日の仕事の始まりと終わり

外国人と最初の挨拶をする場合、相手の目を見ながら明るく笑顔で挨拶をしましょう。一日の始まりは、お互い気持ちよく挨拶をするのがマナーです。

ここでは、山田さんが朝の出勤で上司のアンダースと顔をあわせるときを考えます。

Yamada: Good morning, Anders-san. How are you doing ?

山田: おはようございます、アンダースさん。調子はどうですか?


Anders: Good morning, Yamada-san. I am doing great, thank you. How about you?

アンダース: おはようございます、山田さん。私は元気ですよ。あなたは?


Yamada: I am fine too. Thank you.

山田: 私も元気です。ありがとうございます。


Anders: Yamada-san, would you please send e-mail to the staff right away because I want to hold a meeting at 10 am tomorrow.

アンダース: 山田さん、すぐに、スタッフにメールしてください。明日の午前10時に会議をしたいので。


Yamada: Certainly. I will reserve the conference room. Would you like to reserve a video and a television as well?

山田: 承知しました。会議室を予約します。ビデオとテレビも予約しますか?

コミュニケーションの第一歩は挨拶からです。出勤して会ったときは、笑顔で明るく挨拶しましょう。ここで、山田さんは「Good morning, Anders-san. How are you doing ?」と挨拶しています。これは、一般的に使われている朝の挨拶のフレーズです。

状況によっては、この後に短い会話を続けましょう。例えば、昨夜にパーティーがあってその翌朝であれば、「How was the party last night? Did you have a good time?(昨晩のパーティーどうでした?楽しかったですか?)」と気楽に聞いてみると外国人との距離を近づけることができます。

  • 承知しました。

山田さんは、外国人の上司のアンダースからスタッフにメールをするように依頼されています。会話文の Certainly 「承知いました」は承諾するときの丁寧な返答の表現ですので、上司から依頼を受けたときの返答として使うといいです。

日本語でも同意をするときは、オーライ(いいですよ)と表現することがあります。英語で All right ですが、これは承諾するときのカジュアルな表現です。しかし、「しかたがないけど承諾する」のニュアンスも含むことから、上司への返答としては不適当です。

  • ~ したいですか?

上司に聞いているので、Do you want ~ よりは Would you like to ~ と丁寧な表現を使いましょう。

山田さんは仕事を終えて帰宅するところです。同僚のマイケルに会社を出る前に挨拶をします。

Yamada: I have just finished work, Michael. I am going home. See you tomorrow.

山田: 今、仕事が終わりました、マイケル。帰宅します。また、明日ですね。


Michael:  See you tomorrow, Good night. Yamada-san.

マイケル: また、明日、山田さん。

会社での仕事が終わり、会社を出て帰宅するときは、「See you tomorrow(また明日)」が帰宅するときの一般的な挨拶です。

金曜日の場合は、「See you on Monday. Have a good weekend.(また月曜日に、良い週末を!)」は決まり文句です。

私は、南米エクアドルの小さな県のオフィスで働いた経験がありますが、朝の出勤時と仕事が終わり会社を出るときは、必ず笑顔で男性同士は握手、女性同士は頬にキスの挨拶をしていました。

これは、ラテン人の挨拶の習慣ですが、挨拶を大事にする外国人が多くいるのは事実です。基本的な挨拶は、外国人とスムーズにコミュニケーションをとる上でのポイントです。

外国人の同僚に仕事を依頼する

同じチームで働いている外国人の同僚に仕事を依頼するとき、相手のスケジュールにも配慮し丁寧に仕事を依頼することが必要です。

そのときの英語フレーズを解説しますが、実際にあなたが休暇や出張などでオフィスを留守にするときは、同僚に仕事を頼まざるを得ない状況になります。

このとき山田さんは、同じチームの同僚のマイケルに仕事を依頼したとします。

Yamada: Excuse me Michael, Would you do me a favor? I need your help.

山田: すみません マイケル、ちょっとお願いしてもいいですか?助けてもらいたいのですが。


Michael: Sure. What would you like me to do, Yamada-san?

マイケル: いいですよ。何をしたらいいですか、山田さん?


Yamada: I will take a day off tomorrow. Could you check the product data, please? Our client is supposed to send it to us tomorrow.

山田: 明日は休暇をとります。商品データをチェックしてもらえますか?顧客が明日それを送ってくることになっているのですが。

  • お願いしてもいいですか?

Would you do me a favor? は「お願い」するときの決まり文句です。会話文では相手にお願いする場面なので、まず「Excuse me. (すみません)」と話しかけています。このように、相手に対する気遣いの表現を使うのが外国人と良い関係を築くコツです。

  • ~ してもらえますか?

「Could you check the product data, please?(商品データをチェックしてもらえますか?)」 は、疑問形を使った「依頼」の表現です。過去形の Could you ~ は、現在形 Can you ~ より丁寧な表現です。同僚への依頼であっても、丁寧な英語表現を使うほうがいいです。

同じ意味で、以下の丁寧な依頼の表現も覚えておけば、あなたの英語表現のレパートリーが広がります。

  • I would appreciate it if you could check the data.
  • Would it possible to check the data?
  • Would you mind checking the data?

このように同僚であっても相手の立場を配慮して丁寧な英語フレーズを使いましょう。

外国人の同僚に仕事の説明をする

同じチームに新たに配属された同僚の外国人に、チームの仕事を説明したり教えたりすることがあります。

そうしたとき、業界用語(専門用語)の英単語を覚えることが必要です。当然、同僚には親切に仕事を教えてください。

山田さんは同じチームに新たに配属されたホルヘに仕事の説明をします。

Yamada: We are planning to import traditional hat from Ecuador, Would you like me to show you?

山田: 私たちは、輸入品のセールスキャンペーンとプロモーションを計画しています。見せましょうか?


Jorge: Please.

ホルヘ: お願いします。


Yamada: We have investigated market potential and customer demand in Japan.  We also have checked its quality and design. And we are planning to make a sales promotion campaign.

But we need to negotiate product price, supply status, and term and condition with exporters.  This is a photo that local woman is knitting hat by her hand.

山田: 私たちは、日本の市場潜在力と顧客需要を調査しました。品質とデザインもチェックしました。そして、販売促進キャンペーンを計画しています。

しかし、輸出業者と製品価格、供給状況、そして契約条件を交渉する必要がありますね。これは、地元の婦人が帽子を手編みしているところです。

Jorge: Hand-knitting? Sounds good!

ホルヘ: 手編みですか?いいですね!


Yamada: I suggest you should see my progress report. Please don’t hesitate to ask me if you have any question.

山田: 私の経過報告書を見たらいいですよ。質問があったら、遠慮しないで聞いてください。

新しい同僚に仕事の説明をするために、オフィスで使う業界用語(専門用語)の英単語の意味を覚えましょう。例えば、以下の単語はこの会話文(青字)の専門用語です。

customer(得意先)、campaign(キャンペーン)、demand and supply (需要供給)、negotiate (交渉する)promotion(促進)product price(製品価格)、terms of contract (契約条件)、 quality(品質)

仕事の説明は、専門用語の英単語さえ覚えてゆっくり丁寧に話せば、カタコト英語でも問題ありません。相手は、あなたの親切な説明に感謝します。外国人との信頼関係を構築するチャンスです。

写真は私がエクアドルの県庁で同僚に仕事を説明しているところです。このときの言語はカタコトのスペイン語でしたが、十分にコミュニケーションをとれていました。

外国人と雑談の時間を共有して文化の違いを意識する

ただ、事務所内で仕事の話をするときだけでは、話題が限られているため十分に会話をすることができないことが多いです。

そうしたとき、ビジネスを離れた場面、例えばコーヒーブレイクやランチタイムのときなどに、勇気をだして外国人に話かけてみましょう。このようにしていけば、少しずつ外国人の話す英語に慣れてきます。

また日本人とは異なり、文化の違いよって外国人の考え方と感性は日本人とは共通しない部分があります。そこで、外国人とビジネスを進めるときは、文化の違いを意識する必要があります。

外国人と雑談の時間を共有する

外国人との雑談の時間を共有することで、仕事中にはできない色々な話題について会話をすることができます。こちらから、積極的に話題を提供しましょう。

山田さんは同僚のマイケルとコ-ヒーブレイクをとり会話を始めます。

Yamada: Do you have any plans for this weekend, Michael?

山田: この週末は予定がありますか、マイケル?


Michael: Nothing special.

マイケル:  特にないですよ。


Yamada: I will go on a picnic with my family.  Would you like to go with us?

山田: 私は家族とピクニックにいきますが、一緒に行きますか?


Michael: Sure, I would love to go!

マイケル: 是非、行きたいですね!

  • 特にないです。

上の会話では週末の予定を聞いています。例えば、「Do you have any plans for tonight?」 と今夜の予定を聞かれて、特に予定がないときに、「Nothing special(特にないです)」と答えます。「Nothing in particular」と答えてもでもいいです。

  • ピクニックに行く

中学校で習う決まり文句で、「go on a picnic」です。

  • 一緒に行きますか?

「Would you like to  ~」は 相手を誘うフレーズです。他にも誘う表現として、以下のフレーズも覚えましょう。

  • Why don’t we go on a picnic together?
  • Why don’t you join us?

Why don’t we (you) ~ は「~ しましょう」の表現で相手を誘う場合によく使われるフレーズです。

私は経験上、仕事のときよりも仕事を離れたときの方が相手もリラックスして話せるため、外国人と親しくなることが多かったです。

写真は、私が中米のパナマに駐在しているとき、メキシコ人の同僚と親しくなり家族で近くのビーチに出かけたときのものです。

国内外のどこのオフィスであっても、ビジネス以外の場面で外国人に積極的に話しかけることによって、思いがけなく会話が弾み、その後によい関係を築いていけることがあります。

また、多くの会話をすることによって、あなたの英会話のスキルも向上していきます。これは、外国人と仕事をするためのモチベーションにもつながります。

外国人との文化の違いを意識する

ビジネス英会話を学習する目的は、外国人と問題なく仕事をするためです。英語を流暢に話すのはいいですが、それだけで外国人との仕事がうまくいくとは限りません。外国人との文化の違いを意識することも大切です。

そこで、外国人と接するときは、ビジネスの進め方に日本人とは違いがあることを認識する必要があります。

山田さんはマイケルとコーヒーブレイクで話を続けます。

Yamada: Michael, Please speak honestly. Is there anything you feel it difficult when you discuss with Japanese?

山田: マイケル、正直に言ってください。日本人と話すとき、難しく感じることはありますか?


Michael: Well, even when I want them to make a quick decision, they won’t tell me whether it is Yes or No.

マイケル: う~ん、早く決断して欲しいときでさえ、Yes, Noを言わないことですね。

外国人からみた日本人の評価は、一般的に「Reliable(信頼できる)、Cooperative(協力的)、Punctual(時間を守る)、Polite(礼儀正しい)」など、よい評価が多いです。

しかし、マイケルのコメントは「外国人が日本人と仕事をするとき困っていること」の代表的な例です。外国人にとって、日本人は「Yes No」をはっきり言わないため、意思の決定に時間がかかると考えているのです。

この会話は、私が実際に日本に駐在しているドイツ人にインタビューしたときのものです。このように、外国人からみた日本人の一般的な評価も意識しておきましょう。外国人と仕事をする上で、気をつけたいポイントです。

私たちは生まれ育った環境によって、考え方、感じ方、そして行動のパターンが異なります。

例えば、私が北欧の船会社の日本支店で働いていたとき、オフィスには多くの欧米人が働いていました。彼らは、個人的な家族との時間を大切にします。彼らはどんなに忙しいときであっても、夏休みはきっちり一ケ月間とっていました。

私は一ケ月も休みをとると「I feel uneasy if I have too much free time.(あまり暇だと落ち着かないですよ)」と言うと、「That’s a kind of workaholic.(それはワーカホリックですよ。)」と言われてしまいました。

私が中南米に滞在していたとき、一番悩んだのは日本人との「時間の価値観」の違いでした。例えば、写真はエクアドルの県庁での会議ですが、会議の始まる時間を決めておいても、時間通りに始まることはありませんでした。いつも、1 ~ 2時間は遅れて始まります。

これは時間に対する価値観の違いです。このようなとき感情的になってしまうと、今後のコミュニケーションに悪影響を与えます。

このように、外国人は日本の文化と共有していない部分があるため、話す相手への対応によっては、コミュニケーションが難しくなったり、誤解を生じたりすることがあります。

外国人とビジネスを円滑に行うには、彼らの国の文化や習慣を意識して柔軟に対応することが大切です。

まとめ

上司や同僚の外国人とスムーズにコミュニケーションをとるために、できるだけ多くの基本的な英語フレーズを頭の中へインプットしましょう。そして、それぞれのシチュエーションにおいてアウトプットできるように練習してください。

外国人と雑談の時間を積極的に共有するように心がけてください。雑談は、お互いにリラックスな雰囲気で会話ができるためよい関係を構築できる絶好のチャンスです。また、多くの会話を通して英会話のスキルを向上させることができます。

外国人とのコミュニケーションには文化の違いも意識してください。お互いの文化や習慣を尊重し柔軟に対応することで外国人とのビジネスを円滑にすることができます。