外国人の話す簡単な英語は聴き取れても、日常会話での難しい内容や会社会議での少し込み入った会話となると「英語が聴き取れない」とストレスを感じ悩んでいる人が多くいます。

このように、私たちが英会話の学習を始めてからまず遭遇するのはリスニングの壁です。

そうしたとき、色々な工夫をしながらリスニング力を向上させるトレーニングをすることが外国人と英語でスムーズにコミュニケーションをとる上で大切です。

特にオンライン英会話では、外国人とマンツーマンでの会話を通してリスニング力を鍛えることができます。そこで、オンライン英会話を活用してリスニングを向上させるための学習法を解説します。

リスニングが伸びない理由

英語の語彙や文法力の不足により、書かれた英文が理解できないことがあります。その場合、当然のことですが聴いても理解はできません。

一方、「書かれた英文は読解できるを英語が聴き取れない」のは、英語のリズムやイントネーション、発音、アクセントに慣れていないからです。また、外国人が話すスピードに対して、あなたの理解が追いつかないなどの原因が考えられます。

私の経験・イギリス英語が聞き取れない

例えば私が外国でグローバル会議に参加したとき、イギリス人のプレゼンが理解できなくて困った経験があります。

当時の私は東京支店に勤務し、東京に駐在していたアメリカ人の上司と日常的によく話していたので英語のリスニングには自信があったのですが、このときはイギリス人の話す英語を聞き取ることができませんでした。

しかしプレゼンの終了後、一緒に会議に出席していたアメリカ人の上司が私に以下のように話しかけてきました。

Maybe you didn’t understand his presentation. But don’t worry. I also sometimes don’t understand what he is talking about.

多分、あなたは彼のプレゼンを理解できないでしょう。しかし心配しなくていいですよ。私も彼が何を言っているか時々わからないことがありますから。

このときは、「ネイティブ同士でも理解が難しいの?」と思い少し安堵した気分でした。これは、私がイギリス英語のイントネーション、発音、アクセントに慣れていなかったのが聴き取れなかった原因です。

日本人同士であっても、例えば東京育ちの人が鹿児島へ旅行したとき、鹿児島の方便で話されても完全に理解できないことがあります。これと同じで鹿児島弁の単語、イントネーション、発音などの理解がないと意思の疎通が上手くできません。

リスニングの理解が追いつかない

またリスニングが苦手な人の中には、「英語で話すスピードが早く理解が追いつかない」と嘆いている人も多いです。これは、英語を語順通りに理解できていないことが原因です。

具体的には、英語の文章を読むとき日本語に訳そうとして「返り読み」をするクセがある場合です。「返り読み」とは、英語を後ろから訳していくことです。

例えば、「I go to the office every morning」という文章を、中学校の英文解釈のテストでは、語順を後ろから並び替えて「私は、毎朝オフィスへ行きます」として理解させます。

しかし、これでは長い英文を読んで理解する場合は時間がかかりすぎてしまいます。普段からこのような方法で英文を読解していると、英語を聴くときも日本語の語順に置き換えて理解しようとします。

そうした場合は英語のスピードについていけなくなり、結果的に英語を聴き取るのが難しくなります。英語を聴いたときに理解ができない場合、何回も相手に聞き直すことになります。これでは、外国人との英語でのコミュニケーションは上手くいきません。

会話の背景がわからないと理解度が落ちる

さらに、会話の背景がわからないときもリスニングの理解度は落ちます。

例えば以下は、オンライン英会話のフリートークで私が講師から受けた質問です。

Tutor:  What do you do to encourage yourself when going through hard times? For example, when you are in trouble with an overseas trade client due to a late delivery date. Is your boss encouraging to find solution by sharing information with your colleagues?

講師: あなたが困難に合ったとき、あなた自身を勇気づけるために何をしますか?例えば、納期の遅れで海外の取引先とトラブルになった場合などです。あなたの上司は同僚と情報を共有して、解決策を見つけることを促しますか?

  • 勇気づける、~するように促す : encourage

「encourage」は、ビジネスの場ではよく使われる語彙です。一行目の「What do you do to encourage yourself」 は、(勇気づける)と訳されます。三行目の「Is your boss encouraging to find solution 」は、(~するように促す)と訳すのが適当です。

  • 海外との取引先:  overseas trade client
  • 納期: delivery date
  • 解決策: solution

講師の質問には「ビジネス用語と海外との取引に関する業界用語」が含まれているため、会話の背景知識が無い場合は、この質問の意味を理解するのを難しく感じると思います。自分の業界に関連しない英話を聴いたとき、語彙は聴き取れたとしても会話の内容を理解するのは難しくなります。

また実際のところ、英語ニュースを聞いているとき、背景を知っているニュースについては理解できるが、背景を知らないニュースについては理解が難しい場合があります。

例えば以下の画像は、香港において200万人を超える市民や学生がストに参加した2019年6月16日のBBCニュースです。

画像から香港での大規模なストの様子はわかります。さらに、ストへの背景知識があるとBBCの以下の報道を聴き取るのがやさしくなります。

Thousands of people marched in Hong Kong on Sunday against controversial extradition bill. Many protesters fear increased Chinese influence over Hong Kong.

何千人もの人たちが、物議をかもしている「引渡し法案」に反対しています。多くの抗議者たちは、香港への中国の影響の増大を恐れています。

ここでの背景意識とは、香港の人たちは150年の間、中国とは切り離されてきた歴史の中で「自分たちは香港人であり、中国人とは法的、社会的、文化的に違う」という考えがある事実です。

このように、会話の背景を理解しているかどうかはリスニングの理解度に密接に関係します。あなたが外国人と英語で会話をするチャンスがあるとき、会話の話題の背景について十分な理解を持って臨みましょう。

リスニングはめんどくさい

またリスニングを学習するとき、CDやアプリなどの教材を利用してもいいですが、会話をする相手がいないためリスニングに集中するのが難しくなることがあります。外国人が英語で話している話の内容を理解するには集中力が必要とされます。

私もCDを購入して英語の聴き取り練習をしたことがあるものの、どうしても受動的なリスニングに集中できなくなったことがありました。

個人差はありますが、リスニングの集中が難しく話の内容を理解できないと、心理的に「リスニングはめんどくさい」と思うようになり、リスニング学習の継続が難しくなることがあります。

これも、リスニングが難しいと感じる理由の一つです。

オンライン英会話を活用したリスニングの勉強法

一方、オンライン英会話でリスニングを学習する場合だと、マンツーマンなので受講者は講師の話を何とか聴き取ろうとします。また、同時に講師の質問に対して英語で表現し、答えることに迫られます。

このようにオンライン英会話を利用すると、リスニングに集中できるだけでなくスピーキングを含めたバランスのとれた「実践的な英会話」の学習ができます。

ただ、オンライン英会話を利用するときは、以下のように使い方を工夫することにより、効率的にリスニングの学習をするのがいいです。

会話のスピードに慣れることに集中する

私たちのリスニング学習のゴールは、ナチュラルなスピードの英語を確実に聴き取ることです。

そうしたとき英語のリスニングが苦手な人であっても、ある程まで度英会話の経験のある人であれば、最初からナチュラルスピードで話してもらった方がいいです。

講師の中には受講者に気を使って、意図的にゆっくりした英語で話す人がいます。しかし不自然なゆっくりした英語に慣れてしまうと、実際の会話のときナチュラルなスピードに戸惑ってしまうからです。

一方で、英会話の初心者の場合は、自分のリスニングのレベルに合わせたスピードで話してもらい、徐々にレベルを高めていけばいいです。

聴き取れない箇所は講師に聞く

同時に、うまく聴き取れなかった箇所は必ず聞き返すようにしましょう。そこで、「Excuse me. Could you repeat that for me?(すみません。もう一度言ってもらえますか?)」と、必ず講師に聞き直してください。

講師の話す単語の意味や言い回しがわからないときは、「What does it mean?(それはどんな意味ですか?)」と質問して、わかるまで確認しましょう。

実際の会話では何回も聞き直すのは失礼にあたりますが、オンライン英会話レッスンでは遠慮なく講師に聞き直しましょう。

[チャットボックスで文字を書いてもらう]

他にも単語がわからない場合、講師に依頼してチャットボックスに文字を書いてもらいましょう。講師によっては、受講者が難しい単語に戸惑っているときは、お願いしなくてもチャットボックスに文字を書いてくれます。

そうでないときは、あなたから講師にチャットボックスに書いてもらうようお願いしましょう。例えば、以下は講師と私の短い会話例です。私が単語のスペルを聞いたとき、講師はチャットボックスに文字を書いてくれました。

Tutor: Have you ever bought second -hand goods?

講師: 今まで中古品を買ったことはありますか?


Learner: Yes, I have. But I want to check the quality before buying.

受講者: はい、あります。しかし、買う前に品質をチェックしたいですね。


Tutor: Do you want to buy something durable, don’t you?

講師: 耐久性のあるものを買いたいのですね?


Learner: Excuse me. Could you repeat that for me?  Durable?  Could you tell me how to spell?

受講者: すみません。もう一度言って頂けますか?Durable?どうスペルか教えてもらえますか?


Tutor: Please see chat box on Skype.

講師: スカイプのチャットボックスを見てください。


Learner: Oh, I get it. Thank you!

受講者: なるほど、わかりました。ありがとうございます!

このように、講師に質問の答えを確認することで、単語や英語の言い回しを記憶に定着させることができます。単語を覚えるには単語帳を作ってもいいですが、実際に文章や会話を使って覚えるようにしましょう。

例えば、この会話で(durble)という単語を覚えようとする場合、以下のように2~3の例文を作ってみましょう。

  • The high quality of steel product is more durable than low quality. 高品質の鉄鋼製品は低品質のものより耐久性があります。
  • We want to live in a durable house, don’t we? 丈夫な家に住みたいですね。
  • We need durable peace. 恒久的な平和が必要です。

語彙力はリスニングを向上させるにはとても大切です。オンライン英会話を効果的に利用しましょう。

[レッスンを録音し、復習するべき]

会話中は単語や文法の間違いを気にして話している余裕はありません。ただ、会話に没頭しているときは、自分が話している英語が間違っていることに気が付きません。

講師が会話中に指摘してくれることもありますが、会話が盛り上がっていると講師も間違いを指摘する余裕がないことがあります。

そうしたとき、会話をスマートフォンなどで録音してレッスンの後で聞いてみるといいです。後で振り返ると、自分が話している文法や単語の間違いに気がつきます。

間違えた文法や単語は、復習により記憶に定着します。また、録音すれば発音もチェックすることができます。

フィードバック機能のあるオンライン英会話では、レッスンの終了後に講師からレッスンについてのコメント(画像)あります。必ず講師のレポートを復習しましょう。例えば、このときのレポート以下のようなものです。

講師は、レッスンについて以下のようにコメントしています。

  • 語彙(Vocabulary): “durable”の意味と使い方を覚える
  • 文法(Grammar): 文中のように正しい文法に訂正する
  • 発音(Pronunciation): ”durable”の発音に注意する

このように、レッスンのたびに復習することでリスニングに必要な語彙力や文法力をつけることができ、あなたの英会話は必ず改善されていきます。

様々な講師からレッスンを受け、発音やアクセントに慣れる

私の場合は、1回のレッスン毎に講師を替えながらフリートーク2ヶ月ほどをしました。2ケ月が過ぎた後は2人の気に入った講師を中心にレッスン受けましたが、ときおり他の講師のレッスンも受けるようにしました。様々タイプの講師と話をしたかったからです。

オンライン英会話の講師には、学生、大学の教授、コールセンターで働いた経験のある人、帰国子女など経歴は様々です。

これら様々なタイプの講師と会話をしてみましょう。そうすることで、それぞれ異なる「英語のリズムやイントネーション」「発音」「アクセント」「英語のスピード」「声質やクセ」に触れることができます。

世界中で話されている様々な英語に対応するためには、色々な人の英語を聴いて抑揚に慣れておくのがベストです。

背景のわかる話題を講師に提供して質問する

さらに、教材を中心にレッスンを受けている人であっても、ときおりフリートークをして講師と会話をするといいです。教材を使用してレッスンを受けているだけでは、教材に書かれている文章を読むことに時間をとられてしまいリスニング力が鍛えられません。

その場合、背景をよく知っている話題を選び、講師とのレッスンにその話題を提供してみましょう。そうすることで、あなたのペースで話題についての会話を展開することができます。

話題は何でもいいですが例えば、国内ニュース、日本の文化習慣、気候や天候、環境、交通、観光など、講師と会話ができる話題は多くあります。

私は日本の伝統的な格闘技の一つである相撲をとりあげ、講師と以下の会話を始めました。

Learner: Do you know Sumo wrestling?

受講者: 相撲って知っていますか?


Tutor: Yes, I do. Sumo is the oldest sport in Japan, isn’t it?

講師: はい、知っていますよ。日本でもっとも古いスポーツですね。


Learner: Yes, it’s one of the traditional martial arts in Japan. Have you watched Sumo on TV?

受講者: はい、日本の伝統的な格闘技の一つです。テレビで相撲を観戦したことはありますか?


Tutor: Yes, I have. Two Sumo wrestlers face off in a circular ring, right?

講師: はい、あります。2人の相撲力士が丸い土俵の中で向き合いますね?


Learner:  What ‘s your impression of watching Sumo wrestling? Do you know the rule of Sumo?

受講者: 相撲を観戦しての印象はどうですか?相撲のルールはご存知ですか?


Tutor: It’s interesting! I am not too clear about the rule. They try to push each other out of the ring, but there are many other techniques too.

講師: 面白いですね!ルールについてはあまりよく知りません。押し合ってから土俵の外へ出そうとしますが、他にもっと多くの技がありますね。

このように、会話の中で講師に質問を投げかけてみましょう。講師から質問の答えを聴きとるのはリスニングを鍛えるためのよい練習です。このように会話を通してリスニングを鍛えるのが早期にリスニングが上達するコツです。

レッスン外でリスニング量を多くする

さらに、オンライン英会話のレッスン外でも、スニングを向上させるために英語を多聴することを心がけましょう。

レッスン外で英語を聴くときの材料としては、自分の英語のレベルにあった興味のあるものを選ぶといいです。

例えば国内ニュースであれば、NHK WORLD JAPN  はわかりやすいです。日本国内の身近なニュースが多いので内容が事前に把握できます。また、NHK WORLD JAPN  アプリでは興味や関心の高い記事を聴くことができます。

例えば、以前に和食が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されましたが、 NHK WORD JAPANのアプリから以下のビデオを見つけました。日本の食文化を英語で紹介する上で興味深いビデオだと思います。

この例のように、インターネットで気軽に聴けるものを選ぶといいです。特に忙しいビジネスパーソンなどは、通勤時の移動時間にスマートフォーンなどで聴くようにしましょう。

オンライン英会話のバックアップとして、何度も英語を聴くことで英語のリズム、強弱、アクセントに慣れるようにしてください。

英文の多読もリスニングを向上させる

また英文を多読することもリスニング力の向上に効果的です。返り読みをしないで多くの英文を読むことで英語のリズムに慣れてきて、同時に英語の語彙も増えてきます。

英文の内容は自分の英語のレベルに合わせて選ぶようにしましょう。例えば、時事ニュ-スであれば英字新聞もいいですが、インターネットで海外や国内ニュースを簡単に閲覧することができます。ABC、 BBC、 CNN ニュースなどがありますが、リーディングにおいてもNHK WORLD NEWS の国内ニュースがわかりやすいです。

また、雑誌であれば、あなたの興味のあるジャンルの英文雑誌を読むのが効果的です。例えば、写真はファンタジー系の映画「ハリーポッター」の洋書版ですが、内容の80%は中学レベルの英語で読めます。日本語で概要を説明している本も市販されています。

ただ、会話のスピードに慣れるために、英文を読むときは英語を語順通りに英語のまま理解するように意識してください。

そのとき、知らない語彙がでてきても単語の意味を推測して文章の終わりまで読み進めましょう。その文章を精読するとき後から辞書でチェックすればいいです。

また、英文を音読することもリスニングの向上に効果があります。英文の音読中は「返り読み」ができないからです。英語の語順のまま意味を理解しながら発音する練習をしてください。

そうすることで、リスニングスピードも自然に備わってきます。また、英語を読むだけでなく実際に英語を発音することで、英語のリズムに慣れてきます。さらに、語彙や言い回しも記憶に定着しやすくなります。

まとめ

英語を聴き取れない理由は、英語のレベルによって人それぞれ異なります。そうしたとき、オンライン英会話を活用してリスニング力を向上させましょう。

講師とのマンツーマンの会話を通して、英語のリズムやイントネーション、発音、アクセント、話すスピードに慣れていきましょう。その際、講師の話す英語を語順通りに英語のまま理解するように意識してください。

さらに、多くの講師からレッスンを受けて、様々な英語の音を聴くのも世界中で話されているな英語に対応するために大切です。

レッスンで英語が聴き取れない場合、遠慮なく講師に聞き直してください。その際、チャットボックスを利用して、リスニングの向上に欠かせない語彙力を高めましょう。

レッスン以外でも自分の英語レベルに合った興味のある英語を多聴するといいです。さらに、英文を多読して音読することによって、あなたはリスリング力を早期に高めることができます。