オンライン英会話は、フィリピン人などノンネイティブの講師を多く採用しています。「フィリピン人講師で本当に大丈夫?」と不安に思う人もいますが、講師の採用時には発音などの厳しいチェックがあるため、ノンネイティブの講師であってもかなり優秀な人材です。

それであれば、オンライン英会話で学習を検討するとき、英会話の教え方を学んだ熱心な講師であれば、英語が母国語のネイティブ講師でなくても全く問題ないといえます。

一方、英会話を学習するのであれば「どうしてもネイティブから英会話を習いたい!」と考えている人もいて、どちらの講師から英会話を学ぶのが効果的なのか迷っている人も多いです。

そこで、ネイティブ講師から英会話を学習するメリットについて、私の経験を含めて解説していきます。そうしたとき、どちらの講師の選択があなたの英会話の上達にとって効果的かの判断が可能になります。

ネイティブスピーカーから学ぶメリット

英会話を学習したい人の中には、ネイティブスピーカーから習いたいと強く思っている人が多くいます。確かに、ネイティブ講師からレッスンを受けると、ネイティブスピーカーならではのメリットがあります。

まず、英語圏の多くの生きた口語表現やイディオムを学習できることがあげられます。次に、ネイティブスピーカーの早い英語を聴くことで、リスニング力が鍛えられます。そこで、ネイティブ講師から英会話を学ぶと具体的にはどのようなメリットがあるか、詳しく解説していきます。

ネイティブスピーカーの生きた口語表現が身に付く

私たちは、外国人が日本語を話しているのを聞いたとき、彼らが流暢な日本語で話していても、言葉の表現について少し不自然に感じることがあります。逆に、日本人などノンネイティブが正しい語彙、文法、発音で英語を流暢に話していても、ネイティブの外国人にはどこか不自然に聞こえることがあるようです。

その理由は、英語を母国語としないノンネイティブスピーカーが英語で話すとき、どうしても自国の発想が入ってしまうことがあるからです。

例えば、日本人が発想した文章をそのまま英訳して「今いきます」と英語で言うとき、英語では相手を主体とした発想をとるため「I am coming」が正解です。「I am going」とは表現しません。

また、言語は日々変化しています。10年前の表現は現在使われていないこともあります。そうしたとき、幼少期のときから自然に英語を話してきたネイティブ講師であれば、実際に英語圏で使われている「生きた口語表現」を習得することができます。

例えば、「満足する」と英語で表現するとき、学校で習う「be satisfied with~」を使いがちですが、「be happy with~」の方がずっと口語的で自然な表現です。別の例として、私はアメリカ人の講師(下の写真)との会話で、彼が言った表現が理解できなかったことがあります。

このとき、講師はその時期に色々なトラブルあって大変だったらしく「I am going from the frying pan into the fire」と言ったのですが、私にはどんな意味か理解できませんでした。そこで、講師は「from the bad situation to a worse one(一難さってまた一難: 悪い状況からもっと悪い状況に陥る)」と言い換えてくれました。

日本語でも一期一会など、日本人でなければ理解できない言葉がたくさんあります。これは、英語でも同じなのです。このようなネイティブが使う口語表現やイディオムに強くなるためには、ネイティブ講師からレッスンを受けるといいです。

早い英語に慣れリスニング力が向上する

またネイティブは、ノンネイティブより話すスピードが早いです。そのうえ、音がつながって変化したり消えたりするため、話の内容を聴き取るのが難しいです。例えば、「How did you like it?(どうでした?)」をナチュラルスピードで話した音をカタカナで表記すると、「ハウジューライケッ」と聞こえます。

このようなネイティブが話すスピードと音の変化に対応するには、ナチュラルスピードで話されている英語を何度も繰り返し聴き、聴こえた通りに発音してみることが重要です。

そうしたとき、ネイティブ講師からレッスンを受けることで、早いスピードやリズムに少しずつ慣れてきます。そのうえ、ネイティブ講師から生きた口語表現やイディオムを学ぶことで、あなたのリスニング力が向上していきます。

ただ、ネイティブ講師であっても受講者に気をつかいゆっくり話すことがあります。あなたが妥協のないネイティブのスピードに慣れるためには、ネイティブ講師に常にナチュラルスピードで話してもらいましょう。

また、ネイティブ講師から学んだメリットを生かすために、オンライン英会話以外でも英語ニュース、映画やテレビドラマなどをできるだけ多く視聴してみましょう。

例えば、無料で英語字幕付きの動画がみられるサイトにボイスチューブ(VoiceTube)があります。視聴するには登録が必要ですが、幅広いジャンルの動画をみることができ学習機能もついています。アプリをスマートフォンにインストールして、通学や通勤時などの空時間を利用して聞くといいです。(以下の写真)

ネイティブ講師を選ぶからこそのデメリット

このように、ノンネイティブ講師から学ぶことに比べて、ネイティブであればもっと踏み込んだ英会話力が身についていきます。ネイティブ講師とのレッスンは、あなたにとって貴重な体験となります。

しかし、ネイティブ講師を選ぶからこそのデメリットもあります。それらのポイントについて、以下に詳しく解説していきます。

ネイティブ講師は受講者の課題を上手く教授できないことがある

ネイティブ講師は、受講者のつまずくポイントを上手く教えることができないことがあります。その理由は、ネイティブスピーカーだと、生まれたときから無意識に英語を身に付けているからです。

このことは、私たち日本人が外国人に日本語を教えるときも同じです。外国人のつまずく日本語のポイント、例えば「てにをは」の使い方などを、私たち日本人が外国人に上手く教えることはできません。私たちも日本語を無意識に身に付けているからです。

例えば、外国人が自己紹介のとき、「私スミスです」と言うと、日本人には少し不自然に聞こえます。しかし、私たちに日本語の文法知識がないと「私スミスです」が正しい日本語だと上手く教えることができません。

同様に、ネイティブ講師も英語を教える技術をしっかり身に付けていなければ、受講者がレッスン中に発音、文法の間違いや不自然な英語の使い方をしても上手く説明することができません。

私の経験においても、レッスンを通して自分の興味のあることだけを一方的に話して、私の英語については何のアドバイスもしてくれないネイティブ講師がいました。そのようなネイティブ講師からは、二度とレッスンを受けたいとは思いません。

一方、基本的な文法の間違いや不自然な英語の使い方ついて、細かく指摘をしてくれる教え方の上手なネイティブ講師もいました。

例えば、私がアメリカ人講師と自分の近況について会話をしたとき、私は、「Staying home all the time is a little bit boring and I am tiring.(家で一日中過ごすのは少し退屈で、疲れます)」と言ったのですが、講師は「I am tired」が正しいと、私の基本的な間違いを指摘してくれました。

参考までに私が講師を選択するとき、レッスンの前に講師のプロフィールをチェックして、なるべく「3年以上の講師歴」がある講師を選択するようにしています。そうすると、残念なネイティブ講師へ当たることが少ないからです。

ネイティブ講師のレッスンは受講料が高い

また、ネイティブ講師の受講料はノンネイティブ講師の受講料と比較して高く設定されています。これは、安い人件費の地域で採用されているノンネイティブ講師に比べて、ネイティブ講師の人件費が高いからです。

例えば、DMM英会話の受講料は以下のようになっています。

  • 通常のプラン: 6,480円/月(毎日1レッスン25分)
  • ネイティブ講師のレッスンプラン: 15,800円/月(毎日1レッスン25分)

また、ネイティブ講師のレッスンを受講できるオンライン英会話には、DMM英会話のほかに、ネイティブキャンプ、EF イングリッシュライブ、エイゴックスなどがあります。

当然、これらのオンライン英会話についてもネイティブ講師を選択すると、受講料金はノンネイティブ講師の受講料より高めですが、それぞれのオンライン英会話では独自の料金プランが設定されています。

ネイティブ講師を選ぶ判断基準

なおオンライン英会話で学習を検討するとき、ネイティブ講師を選ぶかどうかは、あなたの英会話学習の目的と英会話レベルによって判断するといいです。

例えば、あなたが英会話の初心者で「とにかく英会話に早く慣れたい!」という人は、初めのうちは、親しみやすく受講料の安いフィリピン人講師からレッスンを受けるのがよいです。そのとき、できるだけ講師と多く会話をすることが心がけましょう。

そして、ある程度まで英会話に慣れきてから、もっと踏み込んだ英語力をつけるためにネイティブの英語にチャレンジするといいです。

他には、あなたの英会話に磨きをかけるために、英語圏の生きた口語表現を身に付けてリスニング力をアップさせたければ、最初からネイティブ講師からレッスンを受けるのがよいでしょう。

また、英語を話す人口は20億人であり、そのうちネイティブスピーカーは、わずか3億人と言われています。そうであれば、ネイティブスピーカーを含む色々な国籍の人の話す英語を経験するのもいいです。グローバルビジネスを目指している人にとっては、あらゆる人と会話をすることは必要なことといえます。

ネイティブ講師から無料体験レッスンを受ける

また、ネイティブ講師から無料体験レッスンを受けるといいです。ネイティブ講師のレッスンはどんなものか感じがつかめるでしょう。無料体験レッスンは、簡単な手続きですぐに始めることができます。

無料体験レッスンを受講した後、あなたの学習目的と英会話レベルに合っているかどうかを判断して、ネイティブ講師を選ぶかどうか決めればいいです。

なお、無料体験レッスン受け方のコツについては、私の別の記事「オンライン英会話による無料体験レッスンの受け方のコツ」に説明していますので参考にしてください。

まとめ

ネイティブの講師から英会話を学ぶと、英語圏の多くの生きた口語表現やイディオムを身に付けることができます。また、ネイティブが話す早いスピードの英語に慣れてリスニング力が向上していきます。

このようにして、あなたの英会話力はどんどん上達していき、ネイティブスピーカーと自信をもって話せるようになります。

ただ、ネイティブ講師のデメリットは、受講者の課題を上手く教えることができないことがあることです。また、受講料がノンネイティブ講師と比較して高いです。

そこでネイティブ講師の選択については、あなたの英会話を学習する目的と英会話レベルを考慮して決めましょう。また、ネイティブ講師から無料体験レッスンを受けるといいです。そうすることで、ネイティブ講師を選択することがあなたの英会話の上達にとって効果的かどうかを判断できます。


オンライン英会話は数多くあるため、どれを選んだらよいのか迷ってしまいます。このとき、オンライン英会話サービスによって特徴は大きく異なります。例えば、オンライン英会話の「講師の国籍」「テキスト種類」「レッスン形態」などです。

これらをチェックすることで、受講したいオンライン英会話が、あなたの英会話学習の目的や目標、学習スタイルに合っているか確認することができます。

また、現在のあなたの英会話レベル(初心者、中上級者)も考慮して、あなたに適していると思えるオンライン英会話を選択してみましょう。

なおオンライン英会話サービスをチェックした後、無料体験レッスンを受けてみましょう。以下では、オンライン英会話ごとの特徴や性質を比較掲載しています。